障害年金を受給するにあたって

障害年金制度の目的について

年金制度には、2つの制度があります。2つの制度の目的を比較します。
障害基礎年金(国民年金制度) 障害厚生年金(厚生年金制度)
国民生活の安定が損なわれることを 国民の共同連帯によって防止
労働者の老齢、障害、死亡について 保険給付を行い、労働者及びその 遺族の生活の安定と福祉の向上に 寄与すること

 それぞれの制度の目的から対象者を大きく分けると
  国民年金は、自営業者,サラリーマンの妻,学生,失業者等が対象です。
  厚生年金は、サラリーマン(OL)が対象です。
    ※会社の取締役等も対象になります。


障害等級について
障害の状態により、等級が分かれます。 多数ありますが、主なものを掲載します。

等級 障害の状態
1級   両眼の視力の和が0.04以下のもの
  両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  両下肢の機能に著しい障害を有するもの
  その他
2級   両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
  1上肢の機能に著しい障害を有するもの
  1下肢の機能に著しい障害を有するもの
  その他
3級   両眼の視力が0.1以下のもの
  脊柱の機能に著しい障害を残すもの
  1上肢の三大関節のうち、二関節の用を廃したもの
  その他

  ※1級,2級は、障害基礎年金、障害厚生年金とも共通。3級は、障害厚生年金のみ。
          「国年令別表および厚年令別表第一」より、一部抜粋


  次のような考え方もあります。

等級 生活の場所 活動の範囲
1級 ・病院内
・家庭内
・おおむね病室内周辺
・おおむねベッド周辺
2級 ・病院内
・家庭内
・おおむね病棟
・おおむね家屋
3級 労働が制限を受けるか、または労働に制限を受けることを
必要とする程度のもの。

       「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」より、一部抜粋


  注:身体障害者手帳の障害等級と障害年金の障害等級は、必ずしも一致して
  いるわけではありません。再度、確認してみましょう。



障害年金の受給要件とは?

障害年金の受給要件は3つです。全て満たしてはじめて受給できるようになります。
   1.初診日
   2.保険料納付
   3.障害認定日

初診日の要件について
初診日とは:障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の
診療を受けた日
をいいます。
障害基礎年金(国民年金制度) 障害厚生年金(厚生年金制度)
初診日において、以下の1または2
の要件を満たしていることが必要です。
1.国民年金の被保険者であること
2.被保険者であった者であって、
 日本国内に住所を有し、かつ、60
 歳以上65歳未満であること。
疾病にかかり、または負傷しかつ
初診日において厚生年金保険の
被保険者であること

※初診日の特定は重要です。
1) 初診日の前日が、保険料納付要件をみる「基準日」となります。
2) 初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる障害年金が決まります。
  初診日に国民年金に加入している場合は、障害基礎年金のみの受給となります。
3) 初診日から1年6ヶ月経過した日障害認定日になります。初診日が確定できなければ、
  障害認定日の決定や障害の等級も認定できないことになります。
4) 二十歳前障害に該当するか否かは、初診日が二十歳前であることが必要です。



保険料納付の要件について

障害基礎年金(国民年金制度) 障害厚生年金(厚生年金制度)
①原則的要件
初診日の前日において、初診日の
属する月の前々月までの被保険者
期間で保険料納付済期間(保険料
免除期間を含む。) が加入期間の
3分の2以上ある者

②経過措置(特例)
初診日が平成28年4月1日前
ある傷病については初診日の属する
月の前々月までの1年間に
保険料
滞納期間がなければ、
保険料納付
要件を満たしたもの
とする。
(初診日において65歳以上の場合は
 適用されない

国民年金の被保険者期間がある
者は左の要件が適用される



障害認定日の要件について

障害基礎年金(国民年金制度) 障害厚生年金(厚生年金制度)
障害認定日において、障害等級の
1級または2級に該当する程度の
障害の状態にあること。
障害認定日
①初診日から起算して1年6月を
 経過した日
②上記①の期間内にその傷病が
 治った場合には治った日。
 (障害認定日の特例)
障害認定日において、障害等級の
1級、2級または3級に該当する
程度の障害の状態にあること。
障害認定日は、左記と同様

②のケースは、障害の治療経緯や医師の所見等から症状が固定して治療の効果が期待
できない状態に至ったと判断された場合で、初診日から起算して1年6月を経過した日より
前であっても障害基礎年金、または障害厚生年金が受給できることがあります。



・障害認定日の特例

Ⅰ. 人工透析療法を行っている場合、透析を受け始めてから3ヶ月を経過した日
Ⅱ. 人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日
Ⅲ. 心臓ペースメーカーまたは人工弁を装着した場合は、装着した日
Ⅳ. 人工肛門または新膀胱の造設、尿路変更手術をした場合は、
造設または手術した日
Ⅴ. 切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断した日
 (障害手当金の場合は、創面が治癒した日)
Ⅵ. 喉頭全摘出の場合は、摘出した日
Ⅶ. 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日


 障害の原因となった傷病の初診日において、どちらの年金制度に加入
していたかによって、障害基礎年金(国民年金)、または障害厚生年金
(厚生年金保険)を受け取ることができます。
 厚生年金保険に加入していて、障害等級が1級または2級に認定された
場合は、障害基礎年金に上乗せされて障害厚生年金も支給されます。
3級と認定された場合は、障害厚生年金のみ支給されます。
 国民年金に加入していて、障害等級が1級または2級に認定された
場合は、障害基礎年金のみ支給され、障害厚生年金は支給されません。
【例:自営業者、サラリーマンの妻(専業主婦)】
3級と認定された場合は、障害基礎年金も支給されません。

注:障害年金を受給するために障害認定日時点の診断書を取得する
ことが必要です。
障害認定日を経過したら、医師の診察を受けておきましょう。
診察を受けなければ診断書の作成依頼ができません。


支給額について
障害基礎年金(国民年金制度) 障害厚生年金(厚生年金制度)
1級
年金額=990,100円 + 子の加算額
                  ※1
2級
年金額=792,100円 + 子の加算額
                  ※1
3級 なし
障害手当金 なし
1級
年金額=報酬比例部分(※2) * 125
      + 配偶者加給年金額(※3)
2級
年金額=報酬比例部分(※2)
      + 配偶者加給年金額(※3)
3級
年金額=報酬比例部分(※2)
      (最低補償額 594,200円)
障害手当金
一時金=報酬比例部分(※2) * 2
※1 子の加算額は、1人目、2人目は1人につき227,900円、3人目以降は1人につき
   75,900
    子の加算の対象になる子は、18歳到達年度の末日までの子、または20歳
   未満で1級または2級の障害にある子
※2 報酬比例部分 = (平均標準報酬月額×7.5/1,000×平成15年3月以前の
   被保険者月数 + 平均標準報酬月額×5.769/1,000×平成15年4月以降の
   被保険者月数)×1.031×0.985
      <被保険者月数が300月に満たない時は300月で計算する>
※3 配偶者加給年金額は、227,900


子とは次の者に限る
18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない
20歳未満で障害等級1級または2級の障害者


平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の
基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者
期間の月数で除して得た額です。
 平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の
基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月
以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)です。

※被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
 また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金額計算の基礎とは
 されません。

 平成16年の年金制度改正では、年金額の計算方法の改正(マクロ経済
スライドの導入)がありましたが、経過措置が設けられており、改正後の
規定により計算した年金額が、改正前の規定により計算した額より低い
場合には、改正前の規定により計算した額を支給することとなります。
 平成19年度の年金額については、当年度中の改正後の規定により
計算した額が、改正前の規定により計算した額を上回らないため、
改正前の計算式(上記の計算式)により計算した額となります。



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障害手当金

障害厚生年金の3級よりも軽い障害ですが、その傷病が治っていることが
支給の条件となります。 下記の要件を全て満たしたときに支給されます。

1.厚生年金の被保険者であった期間中に初診日のある傷病が原因であること
2.初診日から5年を経過する日までの間に、その傷病が治っていること
3.障害の程度が厚年令別表第二に定める障害の状態にあること
4.保険料納付要件を満たしていること



支給停止
① 国民年金、厚生年金、共済年金から年金が受給できるとき
② 労災、その他公的災害補償制度から障害補償給付,障害給付が受給できるとき

注:障害手当金を受給した後に、同一の傷病が原因で症状が悪化して障害厚生

年金の支給要件を満たしたとしても、障害厚生年金の受給はできません。

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