労災認定基準に「いじめ、ひどい嫌がらせ」等が追加

 精神疾患等における業務上外の判断基準を定める「職場における心理的負荷評価表」

に新たな具体的事項が追加されました。
 
 精神疾患等が労災として認定される為には、「職場における心理負荷評価表」において

総合評価として「弱・中・強」のうち「強」になる必要があります。「強」と判断された

場合、次に業務以外の心理的負荷の評価を行い、精神疾患の発症にあたり業務以外の心理的負荷が

なく、特段の個体側要因(既往歴、社会適応状況、アルコール等依存状況、性格傾向)もない場合に業

務上の労災として認定されます。


■今回新たに追加された「職場における心理的負荷評価表」の項目

 ①「違法行為を強要された

  食品偽装、賞味期限の改ざん、欠陥製品の製造等、法令に違反する行為を強要された

  場合などの心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅱ)
 
 ②「自分の関係する仕事で多額の損失を出した
  金融機関における株取引による損失など、自身のミスによらない大きな損失を出した
  場合の心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅱ)
 
 ③「顧客や取引先から無理な注文を受けた
  顧客等の立場が強くなっている現在の社会情勢等を反映して発生する顧客や取引先か
  ら無理な注文を受けた場合の心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅱ)
 
 ④「達成困難なノルマが課された
  納期、工期、売上目標など会社の中に存在する様々なノルマについて、ノルマが課さ
  れた時点における心理的負荷を評価する項目です。現行では「ノルマが達成できなか
  った」という評価項目がありますが、今回の追加項目では、それに至る以前の心理的
  負荷も評価します。(強度Ⅱ)
 
 ⑤「研修、会議等の参加を強要された
  「強要された」は、担当業務と研修、会議等の内容との関連など客観的事項により強 
  要といえるかを着眼点として、研修や会議等の参加を強要された場合の心理的負荷
  を評価する項目です。(強度Ⅰ)


 ⑥「大きな説明会や公式の場での発表を強いられた

   発表を強いられた心理的負荷に着目して評価する項目です。(強度Ⅰ)

 
 ⑦「上司が不在になることにより、その代行を任された

   上司が不在となり、本来業務と併せて上司が行っていた業務の代行を任された場合

   の心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅰ)

 
 ⑧「早期退職制度の対象となった

   早期退職制度の対象となった場合の心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅰ)

 
 ⑨「複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった

   これまで複数名で担当していた業務を組織再編等により1人で担当することになった場合の心理
   的負荷を評価する項目です。1人での担当は仕事の責任や、役割、立場などの困難性のほか、他
   に相談する相手がいなくなったという点を評価します。(強度Ⅱ)

 
 ⑩「同一事業場内での所属部署が統廃合された

   同一事業場内で組織再編等により部課などが統廃合された場合の心理的負荷を評価

   する項目です。職場における労働密度が過密となったことや仕事の責任・役割・立

   場などが困難となったことのきっかけをより明確に評価します。(強度Ⅰ)
 
 
 ⑪「担当ではない業務として非正規社員のマネージメント、教育を行った
   非正規社員の増加を背景に、自分の属するラインに非正規社員が配置され、課長、

   係長などの管理する立場にある者以外のものが、これら非正規社員のマネージメン

   ト、教育を行った場合の心理的負荷を評価する項目です。(強度Ⅰ)
 
 
 ⑫「ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた
  ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた場合の心理的負荷を評価する項目で

  す。業務指導の範囲を逸脱し、人格や人間性を否定するような言動が認められる場

  合には、ひどい嫌がらせ、いじめ等に該当することとし、この項目で評価します。

  (強度Ⅲ)

※ 強度Ⅰ<強度Ⅱ<強度Ⅲ