労災保険とは

◆労災保険の対象事業・対象者

   労災保険(労働者災害補償保険)とは、業務上の事由または通勤により、労働者のケガ、病気
   障害が残った、死亡した時に対して、必要な保険給付を行う制度です。
   労災保険制度は労働者を1人でも使用する、事業所は原則として全て適用事業所となります
   (農林水産業の一部を除きます)
   また、労災保険の適用となる労働者には、アルバイト、パートタイマー、入国管理法制上の
   在留資格または就労資格のない外国人労働者についても適用されます。
   近年雇用形態として多い派遣社員などについては、派遣元事業主の労災保険が適用されます。
   しかし、業務請負を契約している人については、労働者ではない実態が(タイムカード等で
   時間を管理していない、具体的な業務に関する指示をしていない等)ある人については、労働
   者ではないので、自ら労災保険に特別加入しない限り、ケガ等をしてもなんら補償がありませ
   ん。
   公務員については、非常勤の現業職(運転、ボイラー管理、守衛、道路巡視、調理給食、清掃)
   以外は労災保険は適用されず、他の法律により災害補償が行われます。
   また、労働災害は業務災害通勤災害の2つに区分されます。

◆業務災害と通勤災害

  ・業務災害

   業務が原因となって発生した負傷、疾病、障害、死亡に関しては業務災害として労災保険か
   ら給付が行われます。この場合、業務遂行性と業務起因性が認めなければなりません。
   業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態を示し、業務起因
   性とは、業務と傷病等との間の因果関係を示す。因果関係とは「業務=働いていなければ
   、事故に遭わなかった」という関係を示します。また因果関係の前提として業務中であったとい
   う事が必要となることから、事業主の支配下で労働していたという業務遂行性が認められな
   ければなりません。
   実際には、労働基準監督署の判断により、業務上であるか否かが判断されます   
   <業務災害としての認定例>
   ①事業場の専用の通勤バスに乗車する際に発生した事故は、業務災害です。
   
   ②休日中に突発事故が起き、出勤の呼び出しを受けて現場へ駆けつける途中の事故は業務災
    害です。
   
   ③土砂を運搬中の労働者が、土蜂に刺され、そのショックで死亡した。この工事現場では当
    時、数匹の蜂が付近を飛び回っていたため、どこかに蜂巣があることが予測される。この
    事件は業務災害です。
         
   ④自宅から出張に赴いて直接自宅に帰る慣行があるときは、自宅を出てから帰るまでが出張
    とされ、私的行為中の事故を除き、業務災害です。
    
   ⑤会社の運動競技会に労働者を出席させることが、事業の運営のために社会通念上必要と認
    められ、かつ、事業主の強制によってなされた場合に限って業務災害です。

   ※天災地変については、基本的に労災とは認定されないが、それが予測される場合であれば
    業務上となります。火山の噴火、落雷等。

   ・通勤災害

   通勤災害とは、通勤に通常伴う危険が具体化して生じた負傷、疾病、障害または死亡を言いま
    す。
   通勤とは何か?
   法律上の定義は「通勤とは労働者が、就業に関して、次に掲げる移動を、合理的な経路及び
   方法により行うことをいい、業務の性質を除くものとする」
   
   ①住居と就業の場所との間の往復

      
   ②厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業場所への移動
    例) A社→B社に通勤する途中で被災(この場合、B社の労災が適用となる) 


   ③ ①に掲げる往復に先行し、または後続する住居間の移動


    単身赴任者等が該当し、先行する移動とは、家族のいる自宅より単身赴任場所の住居への
    移動を指します。後続する移動とは、単身赴任先の住居より、家族のいる自宅への移動を示し
    ます。
   
   労働者が上記に掲げる移動の経路を逸脱し、または中断した場合は、逸脱・中断の間及び
   その後の自宅への移動についても通勤としません。
但し、その逸脱・中断が日常生活上必要な
   行為
であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のも
   のである場合は、逸脱・中断の間を除き、その後の移動については通勤となります。

    日常生活上必要な行為とは?
    例)日用品の購入(スーパーでの買い物等)、法律で定義されている職業訓練、学校での
      教育・教育訓練等。また選挙権の行使、病院または診療所において診察または治療を
      受ける行為。
    逸脱・中断として取り扱われないささいな行為とは?
    例)労働者が通勤の途中で経路の近くになる公衆便所を使用する場合、帰途に経路の近く
      にある公園で短時間休息する場合、経路上の店での煙草、雑誌等を購入する場合、
      経路上の店で乾きをいやすため極めて短時間、お茶、ビール等を飲む場合等のような
      「ささいな行為」を行う場合には、逸脱・中断として取り扱いません。

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